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体外に進むことすらできず、カウフマン [カウフマン周期]

 バタバタしている間にあっという間に4月になってしまいました[あせあせ(飛び散る汗)]

 前回の記事の続きです。

 8回目のAIHがリセットとなり、踏ん切りをつけて体外受精に進む決意をしました。

3/24(火) D4

 ステップアップを決めたと言っても、まだリセットのショックを引きずったままで、心は前向きになっていませんでした。

 クリニックに着いて、まず採血をするため処置室へ呼ばれました。
 採血をする看護師さんから「今回はどのような治療をされますか」というような質問をされ、唖然としてしまいました。電話で体外に進むと言っているし、そのための血液検査を今しようとしているのでしょう?!
 ではFSH、E2、LHの血液検査をします、と言われ採血。
 FSHは今回初めて検査するホルモンです。

 採卵は手術と同じ処置になるので、血液型(RH+-含む)、血液の組成(凝固性をみる)、感染症などについて、別途血液検査をするのだそうです。
 これらの検査は保険外になってしまうので、1年以内の結果があれば次回持参してください、とのことでした。血液型なんて子供の時以来検査してないよ…。

 10階のラウンジで1時間ほど待って、診察室へ呼ばれました。
 診察室で先生と、こうして新しい周期のことを話している、ということ自体がなんだか悲しくて、こみ上げてくるものを必死にこらえていました。

 それでは体外に進む、ということでいいですね?と念を押され、刺激法についての話になったところで血液検査の結果を説明されました。

FSH:11.1
LH:4.7
E2:79.9

 それぞれのホルモンについてまとめておきます。

FSH:卵胞刺激ホルモン…脳下垂体から分泌され、卵胞を育てるよう卵巣に働きかける
LH:黄体化(黄体刺激)ホルモン…成熟した卵胞をはじけさせ排卵を促し、排卵後の卵胞に働きかけ黄体化を促すホルモン
E2:卵胞ホルモン/女性ホルモン(エストラジオール:エストロゲンの一種)…卵胞の成熟、子宮頚管粘膜の分泌、子宮内膜の増殖などを促すホルモン。女性らしさを作り出している

 今回初めて計ったFSHですが、生理周期が始まったばかりの頃は、せっせと卵胞を育てる必要がないため、あまり分泌されません。
 しかし、卵巣機能が衰えていて反応が弱い場合、多く分泌されて「もっと働け~」と卵巣に働きかけようとします。
 生理周期始めの頃(D2~5)のFSHの値をみることで、卵巣の状態を把握することができるのです。FSHの値が高く、卵巣機能が衰えている場合、排卵誘発剤などの刺激を加えることはできません。その基準となるFSHの値は10以下。私のはそれを超えていたのでした。

 WEBなどでは、体外受精での注射や薬による刺激でFSHが高くなった、という話をよく見ました。しかし、私はここ3周期ほど排卵誘発剤を使わず自然周期でAIHをしてきました。卵巣へ負担はかけていないにも関わらず、FSHが高いということは、単純に老化によって卵巣が衰えている、ということなんだと思います… il||li _| ̄|○ il||li。

 FSHが高いため刺激を加えての体外受精はできない、と先生に言われてしまいました。

 期待と希望を込めて、腹をくくってチャレンジを決めた体外受精ができない。
 しかも、自分の生殖能力の衰えを、数値という形ではっきり示される、という二重のショックで頭の中が真っ白になりました。

 先生から提案された選択肢は三つ。①完全自然周期で体外受精をする②今までの周期と同様にAIHをする③FSHを下げるためのホルモン療法(カウフマン療法)をし、お休み周期とする、というもの。

 元々落ち込みモードで判断力が鈍っていたのに加え、二重のショックを受けた後ですから、頭がまともに働くわけがありません。しかもどれも気の進まない選択肢ばかりで…。
 ただ頭を押さえるしかありませんでした。

 そんな私を見かねて先生が提案したのは③のカウフマン療法でした。

 カウフマン療法は経口薬のホルモン剤とピルによって本来のホルモン状態を作り出し、ホルモンバランスを整える治療法です。人為的にホルモンを操作するため排卵は起こらず、タイミングもできない、完全なお休み周期となります。

 体外に進むことすらできず、タイミングをすることもできない、全く何もできない周期というのは初めてです[がく~(落胆した顔)]
 呆然としてしまいました。

 薬を飲み終わって1週間後に生理が来るはずだから、その時にまたFSHの検査をしましょう、ということで、診察を終えました。
 こんなことになるなんて、自宅を出た時には想像することもできませんでした…[もうやだ~(悲しい顔)]

 診察室を出ようとしたとき、「次回FSHを測ってみて、人工授精をする、というのもありだからね」と先生が念を押すように言いました。まだAIHをする余地がある、と言うことなのでしょうか。意気消沈している私にはとてもそうとは思えませんでした。

 待合室に戻って腰掛けると、情けないことに涙が勝手に流れて出て、止めることができなくなってしまいました[もうやだ~(悲しい顔)]

 看護師さんがカウフマン療法で服用する薬について説明をしてくれました。
 プレマリンプラノバールという2種類の薬を、10日間づつ飲むこと(それぞれの薬の服用期間が書いてあるメモを渡されました)、決して2つの薬を同時に服用しないこと、プラノバールで吐き気を感じる場合は就寝前の服用でもよいこと、激しく嘔吐するようならクリニックに連絡して下さい、ということです。
 でも、薬を服用するだけの周期になる、という実感がまるで湧いてきませんでした。

 会計をすると、血液検査は保険外ということで¥14,650の金額を請求されました(診察料別途)。
 エコーもなく、血液検査だけなのに1万5千円弱というのは初めて見る金額です。頭をハンマーで軽く殴られたような感じがしました。
 3月は前回の周期の分があるので、E2の検査の保険内適用回数(自然周期:月2回、排卵誘発剤使用:月3回)を確かに超えているのですが、今まで1万円を超えたことはありませんでした。
 それとも体外受精のための検査だったので保険外だったのでしょうか。でも結局私は体外受精をすることができなかったのに、それでも保険外になるのでしょうか。
 疑問はぐるぐる頭の中を駆け巡るけど、質問をする気力はありませんでした。クレーマーでドケチなこの私が、結局言われるがままに会計をしていたのです…。

 クリニックを出て処方された薬を購入し、職場に向かいました。かろうじて2本の足で歩いていましたが、その中身はまるで廃人のようでした。
 人前では何事もなかったかのように振る舞うけど、字が書けないくらいの手の震えが久しぶりに起きて、メンタルも一気に落ちているのを感じました。

 夜、旦那さんに一部始終を話し、体外は結局できなかったと報告しました。
 痛い思いをする前に分かってよかったじゃないか、とにかく今は治療をしているのだから、前へ進めているんだよ、と慰められ、少し気持ちを楽にすることができました。
 どちらかというと旦那さんの方が体外へ進む希望を強く持っていたので、彼にとってもショックだったのでは、と思うのです(しかも自分のせいじゃなく妻側の原因なのに…)。
 そんな中、取り乱すことなく、置かれている状況でのポジティブな面を見つけられる、ってすげー、とは思うのですが、どうしてそこまで冷静でいられるのか、疑問にも思いました…。

 こんな結果になるとは知らずに10階のラウンジで読んでいたノートの書き込みが、私の心の支えになっています。
 FSHが20を越えていて、カウフマンとサプリメントを続けてようやくFSHを一桁にすることができ、やっと採卵、というところまでこぎつけたのに、エコーで見たら排卵済みだった…、という書き込み。そんな状況なのに文章のトーンはなんとなく明るいのです。
 強いな~、負けずに頑張ったんだな~、と前を向く勇気をもらいました[グッド(上向き矢印)]

 でも、粉々になった私の心が完全に回復したわけではありません。今まで乗り越えて押さえ込むことができたと思っていた負の感情が、一気に押し寄せてきています。
 自分の進歩のなさに本当に嫌気がさします[もうやだ~(悲しい顔)]

 ホルモンバランスが整ってくれること、心もお休みしてくれることを願って、今はただ機械的に処方された薬を飲み続けるだけです…。
 どうかFSHが下がってくれますように……。


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コメント 8

りなっち

まずはクリニックお疲れさまでしたm(__)m
私も以前近くてネットで好評だったクリニックへ行ってpawpawさんと同じ血液検査しました。
その時は保険適用外なので1万かかると言われかなり驚いたことを覚えています(--;
結果は緊張しすぎたのも原因だと思いますが(勝手な自己判断ですが…)、FSHが20分?15分??くらいで3ケタになり、結局潜在性高プロラクチンでした。ハッキリと名前を言われなかったおでネットで検索しました(^^;初婦人科で、初検査での価格&結果に今でも記憶に鮮明に当時の事を覚えているのでpawpawさんのお気持ちも少しは理解できていると思います。
とにかく素敵な優しい旦那様がいらっしゃるし余り考え込みすぎないでください^^
一緒にbabyに逢えるまで頑張りましょ(^^)/
by りなっち (2010-04-02 22:27) 

にな

お疲れ様でした。本当に大変でしたね。体外受精へのステップは精神的にはもちろん、金銭的にもとっても大変ですね。皆さんどのように支出されてるのでしょう…。今回は体外受精に進めなかったという事実はつらいですね。私もいまだほんの数ヶ月前に筋腫を開腹手術でとった大きな傷がピリピリ痛むのに、次は卵巣の内膜症の疑いで排卵誘発剤も使えません。しかも多発性の筋腫だったので再発の恐れが高く、3年以内くらいが勝負だと言われ…(>_<)。四十路を目前に、どうしてこんなに次々と私ばっかり、とも思いました。でも、そんなでもできる時はできると思うんです。甘いかな(^_^;)?今期は体外受精をしてたらできなかったような、気を使わず思いっ切りやりたいことをやる高温期とかにするのはどうですか?pawpawさんの心と体を本当に考えてくれてる旦那様と一緒に、とか。pawpawさんのブログからも、私もいつも明るい落ち着いたトーンを感じて励まされてますよ。長々とすみませんf^_^;!
by にな (2010-04-03 12:25) 

himiko

pawpawさん。
ゆっくりお休みできていらっしゃいますか?
前向きなご主人のサポートで、次周期に心も身体も回復されて望めることをお祈りしてます。
私は今周期1年ぶりに通水検査を受け、またも左はあやしいと言われ・・・
でも、昨年は流産したものの妊娠したのでちょっと期待していたのですが本日撃沈しました!
次回は今までお世話になっているところでAIHか、新たな場所で相談するか・・・職場次第です。

そうそう。
以前お話ししたかと思いましたが・・・私は病院勤めなんです。それも産科。
今、後輩妊婦は8人!
へこみます・・・責任はどんどん重くなるばかりで。

長くなりましてすみません。
お互いに早く赤ちゃんに会えるといいですね!!
by himiko (2010-04-04 00:09) 

pawpaw

~お返事が遅くなり申し訳ありません~

>りなっちさん、
りなっちさんのかかられた病院でも保険外で血液検査だったんですね。
高プロラクチンもお薬での治療が必要になりますものね。
初めての婦人科で、血液検査があって、結果をそんな風に示されたら動揺しちゃうと思います…。
考え込みすぎな傾向のある私なので、できるだけ頭をからっぽにするように心がけます。
一緒に頑張りましょうね~。


>になさん、
手術後も傷が痛むんですね…。開腹手術は想像以上に大変なのだな、と思いました。
多発性ということで、定期的な検査も必要なんですよね。でも、できる時はできるものだ、と私も思っています。きっと大丈夫!
お陰様で、体外に進めなかったショックも大分和らいできました。高温期に控えていたお酒も昨日飲みました~(^^*。
後ろ向きなことばかり書いていて、読む方は不快じゃないかと思っていたので、になさんのコメント有り難く感じました!


>himikoさん、
病院にお勤めだったですね…。失礼しました(アセ)。
リセット残念でしたね…(;_;)。
でも妊娠できることは分かっているので、望みは高いと思います!
産科の勤務で同僚の妊婦さんがそれだけいらっしゃったら、周りはほとんど妊婦さん、という環境なのですね(^^;。そんな中働いてらして、えらいな~、と思います。私ならきっと毎日へこみっぱなしです。
次回の治療が前へ進めるものになるといいですね。


>えびさん、
>toshiroさん、
nice!ありがとうございました。
by pawpaw (2010-04-05 08:44) 

きよら

pawpawさん★初めまして!
突然の初コメント失礼致します。
いつもブログ拝見してます。ずっと応援してました!
8回目のAIH、リセット本当に残念です・・・
体外受精にするって本当に悩ませたと思います。
私も体外にするかかなり悩んだので。
pawpawさんと私は年齢も近く、多分お住まいも近所だと思うのです。
私も心療内科の病気をかかえています。
私は原因不明不妊3年目でAIH3度撃沈の後、転院し、今年1月から
新宿の加藤レディスクリニックという所で体外受精をしています。
同じクリニックに通うブロ友さんはD3のFSHが16.1もあったのですが
その周期に採卵し、胚盤胞まで育って、無事凍結できました。
しかもグレードAの最高グレードでした。
体外できるかは病院によってもホルモン値の基準などが違うと思うのです。
余計なお世話かもしれないのですが
pawpawさんのブログを拝見して、居てもたっても居られなくなって。
キネマに通ったことは無いのですが、私は心療内科や乳腺外科で
東邦医大に通っていて
不妊治療を決断した際に私も、キネマにしようかだいぶ迷いました。
近所だし。
加藤という所は培養士の数も多く、GWなども年中無休で行っています。
治療の流れもすごく速く、月に2回程の通院で採卵までします。
だからお仕事をしながら通ってる人も多いですし北海道から通ってる人もいます。
ぜひ参考にしてみてください。

pawpawさんに1日も早くベビちゃんが授かりますよう
本気でお祈りしてます!他人事と思えないのです。
またコメントさせて頂きます。
by きよら (2010-04-05 12:31) 

小萩

体外はいろいろとチェック項目や準備が多くて、足踏みしないといけないことが勃発しますね・・・。ワタシの先日の転院事件も突然のことでほんとに呆然でした。

カウフマンでからだの調子を整えて、その間に気持も落ち着きますように。春先は天気も不安定だからココロも不安定になりがちですしね。pawpawさんの気持が少しでも軽くなりますように。ダンナ様にどんどん甘えてくださいね♪
by 小萩 (2010-04-05 18:39) 

★ぴょんぴょん★

カウフマン周期になりましたか。。。
今までもAIH頑張ってきたから、少し薬を抜く意味でも
卵巣をお休みさせてあげたほうがいいかもしれないですよ。
IVFは高額だし、卵巣が疲れてたら良いタマゴちゃんが採れないし、
IVF前は1~2周期は体も心もお休みさせたほうが成功率高くなりますよ。
それにキネマってすごく慎重な考えのクリニックだと思います☆
私FSH値12超えしてたけど普通に刺激法でIVFやりました。
他の有名Yクリニックに通う方も、12超えしてたけどIVFやってました。
FSH値って毎回多少違うらしいです。数値が安定しないものらしくて、
FSH値は気にしない方がいいって言われました。(極端に18以上とかだったら気にした方がいいかもしれないけど^^;)
FSH値はあてにならないから、AMH値は確実なので、気になるようならAMH値を調べたほうがいいみたいです。
だからFSH値は気にしないでください(^_^)
FSH11~12で妊娠している人、めずらしくないです。普通にいます☆
大丈夫だから、せっかくカウフマン周期なんだし、
IVFに向けて体調を整えるように心穏やかに過ごしてほしいです。

by ★ぴょんぴょん★ (2010-04-06 21:05) 

pawpaw

>きよらさん、
初めまして、コメントありがとうございます。
そしていつもこのブログをご覧頂き、私のことを気にかけて頂いてありがとうございます。
きよらさんはKLCに通われているんですね。
病院によってFSHに対する姿勢というか、判断が違うんだな~、と思いました。
キネマで体外、と安易に考えていたけど、KLCも気になる存在です。でも待ち時間が半端ない、という話を聞いたことがあるのですが、どうですか?
私は終業が不規則なので、仕事の前に通院する方が楽なんです。。。
心の病を持ってベビ待ちする仲間がいらっしゃって心強く思います。こうしてブログを読んで頂いたり、コメントを頂いたり、応援して頂いて、前を向いて頑張れます。
これからもよろしくお願いします!


>小萩さん、
そうですね…、クリニック探しというふりだしからスタートしなきゃいけなかった小萩さんを思うと、私のお休み周期なんて大したことないように思います…(/_;)。
やろうと決めたら採卵→移植と、とんとん拍子に進んでいく、と勝手に思っていました。そういうものではないんだな、と反省いたしました。。。
気持ちは大分楽になって、桜の花も晴れやかな気分で見ることができるようになりました。
いつもお気遣い頂いてありがとうございます。


>ぴょんぴょんさん、
そろそろ妊娠後期に入られましたか? 体調はいかがでしょう? 出産を控えて大変なのに、私の不妊の悩みにアドバイス頂いてありがとうございます(/_;)。
クリニックによってはFSHが10を超えていても刺激するんですね…。数値が安定しないホルモンだ、というのも初めて知りました。
気分が安定して、多少冷静になって考えてみると、FSH11はそんなに悲観するような数値じゃないのでは、と思いました。ストレスや疲労がたまっていたのが原因かもしれません…。卵巣のためと、どちらかというと私の気持ちの上で、お休み周期にするのは良い選択だったのかもしれない、と今は思っています。
それから、私もAMHがひじょーーーに気になっていて、今度クリニックで検査してもらう予定になっています。こっちの方が切実ですよね。。。
できるだけ穏やかな気分で過ごせるよう頑張ります!
by pawpaw (2010-04-07 09:06) 

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